各自が2カ月間での経験を発表し、それを共有することで気づきがあり、自ら行動できるようになるという。仕事上のことも個人的なことも、しっかりと発表する。そこに「社会人であれば誰もが通ってきた落とし穴があるはずです。それをフォーラムの場で共有すれば、課題を知り問題意識をもつことができます。知っていれば自分が問題に直面した時の解決スピードを速めることができるはず」と金子さんは活動目的を語ってくれた。
社内環境変化で復活させた新フォーラム
ビー・スタイルのフォーラムは、直属の上司や部下がいない状況の中で、仕事上では相談しにくい課題や共有しにくい情報などをもとに、参加者のさまざまな経験をシェアリングすることで考え方を学習し、本質的な仕事を行うビジネスパーソンへと成長させていくことを目指している。元々は経営者を対象とした学習機関が作成した世界共通のプログラムをもとにビー・スタイル独自のエッセンスを加え作成した。
ポイントはシェアすることであり、情報共有で学ぶこと。社内コミュニケーションの活発化にもつながる。「顔と名前は知っているが会話をしたことがない他部署の社員とも親しくなれる効果もあります」と金子さん。導入は社員数が40人程度だった5年前だったという。その時にモデレーターは役員が務めており、参加者は研修の有益性は感じつつも、情報共有というより発表に際して役員の回答を聞くような状態になったという。
また開催時間も業務終了後で、社内から時間変更を要望する声が多かったこともあり、一度中止された経緯がある。復活したのは今年の11月。新フォーラムはスタートしたばかりだ。モデレーターは入社6年目程度の社員がなり、開催時間は事前にヒヤリングして昼の部と夜の部に分けるなど、バージョンアップしている。
以前よりも社員数が増えたことで、つながりが薄まっていることから一体感を取り戻すためには必要という判断があったのだろう。また、社員のライフスタイルが多様化しているなど環境変化にも対応しながら、人材育成を行う。家族主義的な会社運営を志向するビー・スタイルにとっては、個別研修よりも全社員が一律に実施する形が、より目的達成の近道になると感じる。
若きチャレンジャー企業に必要なのは、無謀な挑戦ではなく、より多くの経験を知った上に成り立つ企画力と情熱だ。それを醸成させるのがビー・スタイルのフォーラムだと思える。