2024年4月29日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年1月17日

 2012年12月11日付け米The Diplomat誌ウェブ版で、James F. Amos米海兵隊総司令官は、軍事ジャーナリストDeSilva-Ranasingheの質問に答える形で、海兵隊は、第二次大戦以来、太平洋地域に深く根ざしていて、海兵隊水陸両用部隊ほど、機動的で、何でも出来、自立している部隊はないと、アメリカのアジア傾斜と軍事費削減の中で、海兵隊の役割を強調しています。

 すなわち、同じ戦争と言うものは二度とないので、海兵隊は柔軟性、即応性、機動性を重視している。だから、イラク・アフガン戦争でも、フィリピンでもハイチでも、パキスタンでも、その場の必要に即応している。海兵隊は、19か国で65の作戦に従事している。

 海兵隊が地上部隊になってしまったという批判があるが、必要に応じてどういう戦いにも即応できる。陸海空軍はそれぞれ活動の分野、場面があるが、海兵隊には目的遂行への道筋がある。

 アジア太平洋への関与は、われわれのDNAとなっている。

 現在、日本には16,000人、ハワイには8,000人、南カルフォルニアには66,000の海兵隊が居て、豪州には2,500人を駐留させる予定であり、国防長官は、最終的には、日付変更線の西に22,000の海兵隊を配備することとなろうと言っている。

 国防予算削減に際して、当面、最大の挑戦は、海兵隊の即応力を維持することである。そして心配なのは、近代化の努力に対する影響である。したがって、それ以外の面では犠牲を払わねばならない。ただ、海兵隊と言うのは、もともと無駄のない軍隊であり、削減すべき余分な物はあまりないのが実情である。

 将来にどういう危機を予想するかと聞かれても、過去40年間で覚えたことは、常に予想外の事態に備えることである。どのような事態にでも対処できるよう若い隊員たちを教育している。

 エア・シー・バトルとの関連では、海兵隊の任務のボトムラインは陸への接近を守ることである。米国経済は、国際的システムによって護られている、そのためには、前方展開と地域パートナーとの協力が必要である。


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