2022年10月6日(木)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2022年1月26日

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 ワシントン・ポスト紙コラムニストのデビッド・イグネイシャスが、1月6日付け同紙に、バイデン政権はウクライナをロシア軍に攻め込まれてもこれに頑強に抵抗するハリネズミのような国にすることを検討しているとの論説(‘Biden wants to turn Ukraine into a porcupine’)を書いている。

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 要点を一部抜粋して紹介すると次の通りである。

 「ロシア軍が国境線を越えれば、米国と北大西洋条約機構(NATO)の同盟国は長期の抵抗戦のための兵器と訓練を提供する。米国と同盟国は、訓練とスティンガー防空ミサイルを含む兵器をもってウクライナの反乱を支援する方法を考え始めている。ランド研究所のアナリストによれば、そのような反乱を抑え込むためには、ウクライナ人1000人に対してロシアの戦闘員20人を要する。だとすれば、ロシアは88万6000人の占領軍を必要とする計算になる。明らかに非現実的であり、反乱を鎮圧するのは困難だ」

 「ウクライナの抵抗能力を強めるために、最近になって、米国とNATOは防空、ロジスティックス、通信、その他の枢要な部分の調査のためのチームを派遣した。米国はロシアのサイバー攻撃と電子戦争に対するウクライナの防衛能力の梃入れもしたようだ」

 敵に侵攻を断念させるため抑止を働かせることが望ましいが、米国と欧州にはウクライナの防衛のために欧州を戦場としてロシアと戦う意思がない。そうであれば、ロシアが一旦国境を越えれば、これに抵抗するウクライナの反乱闘争を武器の提供をもって支援し、泥沼に足を取られるロシアに最大のコストを払わせることをもって戦略とせざるを得ないであろう。厳しい経済制裁だけでは抑止として不十分だと思われるので、この戦略を加えて抑止とすることが重要と考えられる。

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