今年4月からマンション管理に2つの評価制度が導入されるものの、審査は任意であり、不適格とされた管理組合へのサポートなど不透明な部分が多い。
「Wedge」2022年2月号に掲載され、好評を博した記事の内容を一部、限定公開いたします。全文は、末尾のリンク先(
Wedge Online Premium)にてご購入ください。
マンションの高経年化が急速に進んでいる。国土交通省によれば、2020年末で1981年以前に建てられた築40年以上のマンションは103万3000戸(マンション全体の約15%)あるが、10年後には231万9000戸、20年後には404万6000戸にまで膨れ上がる。
そこで問題となるのが、修繕費用の積み立てなどの管理状況だ。年月が経てば、所有者の高齢化、入れ替わりが進み、適正に管理することが難しくなる。必要であれば、建て替えの決断をしなければならなくなるが、それには管理組合の同意が必要だ。
ブラックボックスだったマンション管理の状況を明るみに出そうと、今年4月から、2つの制度が導入される。一つは改正マンション管理適正化法に基づいて地方公共団体が実施する「管理計画認定制度」。もう一つは民間のマンション管理業協会が行う「マンション管理適正評価制度」だ。しかし、どちらも任意で、管理に自信のないマンションは査定を受けなくてもよいなど、すでに課題が指摘されている。
国交省住宅局の認定制度の担当者は「管理計画認定制度に加えて、必要に応じて助言・指導および勧告ができる制度が創設され、この制度の活用などにより老朽マンション管理水準の底上げを図っていきたい」と期待する。認定を受けられなかった管理組合に対しては、「標準管理規約や長期修繕計画作成ガイドラインを公表して、引き続き必要な情報の提供などを通じて管理の適正化を進めていきたい」としている。