WEDGE REPORT

2022年2月10日

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高口康太 (たかぐち・こうた)

ジャーナリスト

1976年生まれ。千葉大学人文社会科学研究科(博士課程)単位取得退学。中国・南開大学に留学後、ジャーナリストとして活躍。著書に『幸福な監視国家・中国』(共著、NHK出版)など多数。千葉大学客員准教授を兼務。

 日本では受験シーズンに突入しているが、中国では教育業界に〝変革〟が起きている。小学3年生以上には60分、中学生は90分以内で終わる量の宿題に──、という目を疑うような法律をつくられたのだ。「Wedge」2022年2月号に掲載され、好評を博した記事の内容を一部、限定公開いたします。全文は、末尾のリンク先(Wedge Online Premium)にてご購入ください。
多額の教育投資をされた学生たちは何を目指して学習に励むのか (REUTERS/AFLO)

 法律1本で10万人がリストラに──。もし、日本でこんな事態が起きれば、首相のクビが飛ぶだけでは済まない問題となろう。

 そんな大事件が2021年、中国で実際に起きた。しかも、国民の多くはその政策を支持しているのだから驚くほかない。

 問題の法律は「義務教育段階の学生の宿題負担と郊外研修負担のさらなる軽減に関する意見」(通称「双減」)という。21年7月24日に発出され、30カ条にわたり詳細かつ具体的な規制が盛り込まれている。例えば、学校については次のような規定がある。

 「小学1・2年生には書き物の宿題を出してはならない。3~6年生は60分以内、中学生は90分以内で終わる量に制限する」(第5条)

 「帰宅後は宿題のほかに家事の手伝いやスポーツ、読書を推奨すること。努力したにもかかわらず宿題が終わらなかった場合は時間通りに寝かせること」(第8条)

 「オンライン学習塾は視力保護に配慮しなければならない。授業時間は30分以内にとどめ、連続する授業の間に10分以上の休憩をとること。21時以降の授業は禁止とする」(第15条)

 宿題の分量どころか、終わらなくても睡眠優先という、優しい祖父母のような文言まで盛り込まれている。

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