Wedge SPECIAL REPORT

2022年3月9日

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真田康弘 (さなだ・やすひろ)

早稲田大学地域・地域間研究機構客員主任研究員・研究院客員准教授

神戸大学国際協力研究科博士課程後期課程修了(博士・政治学)。東京工業大学社会理工学研究科産学官連携研究員、法政大学サステイナビリティ研究教育機構などを経て、2017年より現職。

「Wedge」2022年3月号に掲載され、好評を博している特集「魚も漁師も消えゆく日本 復活の方法はこれしかない」記事の内容を一部、限定公開いたします。全文は、末尾のリンク先(Wedge Online Premium)にてご購入ください。
カツオは日本で水揚げされるまでに、赤道近くの太平洋から北上してくる(MIXA/GETTYIMAGES)

 海や魚の異変がニュースを賑わすようになって久しい。例えばサンマ。2008年に35万5000トンだった漁獲量は、21年には約95%減の1万8291トンにまで落ち込んだ。道東のあるサンマ漁業者は「もはや小型船は出漁する意思もない。たまに船を動かしておくと漁業共済が下りるので辞めずにいるが、自分たちで採算を合わせられるとはほとんど思っていない」と惨状を語る。

 さらに、今年はやや持ち直したものの、近年カツオの日本周辺への来遊量が減少している。太平洋のクロマグロも若干資源状態は上向いたものの、親魚は初期資源量(漁業がないと仮定した場合の推定資源量)比で4.5%と極めて低い水準にあると推定される。

 こうした魚はわが国の排他的経済水域(EEZ)内のみならず、広く他国水域や公海に分布している。したがって国家間の協力が必要不可欠であり、このため西太平洋のカツオ・マグロは日本や米国、中国など太平洋沿岸の26カ国・地域が参加する「中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)」が、北太平洋のサンマ、イカ、サバ、イワシなどは太平洋沿岸の8カ国・地域が参加する「北太平洋漁業委員会(NPFC)」が設立されている。

 最近これらの資源管理に関連してニュースを賑わしたのが、クロマグロの漁獲増枠である。クロマグロは「本マグロ」とも呼ばれ、高級すしや刺し身として人気が高い。21年12月に開催されたWCPFC年次会合で、日本の提案をベースにした、22年度以降の太平洋クロマグロ大型魚(30㌔グラム以上)の15%の増枠が合意された。

 この会議には筆者も非政府オブザーバーとして出席したが、ここで決まった増枠はあくまで条件付きであり、水産庁の発表ではなぜかその点について欠落している。それは……

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Wedge 2022年3月号より
魚も漁師も消えゆく日本
魚も漁師も消えゆく日本

四方を海に囲まれ、好漁場にも恵まれた日本。かつては、世界に冠たる水産大国だった。しかし日本の食卓を彩った魚は不漁が相次いでいる。魚の資源量が減少し続けているからだ。2020年12月、70年ぶりに漁業法が改正され、日本の漁業は「持続可能」を目指すべく舵を切ったかに見える。だが、日本の海が抱える問題は多い。突破口はあるのか

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