そして時が経てば、何かのきっかけで再び顔を合わせることができるのも「プロレス界ならではの妙」であり、言うなれば「マイナスをプラスに変える」という〝猪木イズム〟のメリットであるとも感じているはずであろう。
「プロレスこそ最強」から「プロレスこそ最高」へ
令和の新日本プロレスは、創始者・猪木氏が他の格闘技を意識しながら執拗なまでに追い求めた「プロレスこそ最強」という路線からは確かに一線を画しているかもしれない。だが、今の新日本は「プロレスこそ最高」という時代に見合った経営スタイルで人気を博しているのも紛れもない事実。現在はイデオロギーが違っても、時間の経過とともに過去のしがらみを抜きにして猪木イズムを貫きつつ古巣帰還を果たす〝燃える闘魂〟の雄姿を多くのファンが待ち望んでいる。
世のビジネスパーソンの中にも新旧問わず新日本プロレスのファン、あるいは昭和から平成にかけてのアントニオ猪木氏の闘いぶりに勇気を与えられた人たちは数多いだろう。猪木氏と新日本の奇跡の再タッグ結成を願わずにはいられない(