勝負の分かれ目

2022年3月22日

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 世紀の一戦が近づいている。4月9日、さいたまスーパーアリーナで行われる世界ボクシング協会(WBA)世界ミドル級スーパー王者・村田諒太(帝拳)と国際ボクシング連盟(IBF)世界同級王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)の統一戦だ。

 長い日本ボクシング史上でも指折りのビッグマッチとして戦前から大きな注目を集めている。当初は昨年末に開催予定となっていたが、新型コロナウイルスの感染拡大により延期されていた。このまま自然消滅してしまうのではないかとも一部ではささやかれたが、政府が今月1日から新規入国制限を緩和したことで開催の目処が立ち、周囲の尽力も実を結んで実現する運びとなった。

村田諒太(右)とゲンナジー・ゴロフキンの「世紀の一戦」は、新型コロナウイルスにより、昨年末から4月9日に開催されることとなった(山口フィニート裕朗/アフロ)

 あらためてゴロフキン戦が来月9日に正式決定し、今月3日に行われた会見では村田自身も「試合が飛んで本当に実現できるのかとがっかりした気持ちもあった」と本音をのぞかせている。

対戦を熱望したゴロフキンの輝かしい実績

 村田がかねて対戦を熱望し続けてきたゴロフキンはいまさら言うまでもないことだが、とてつもなく強い。名前の頭文字から「GGG(トリプルジー)」の愛称で知られ、ボクシングの本場・米国を拠点とし、世界中にその名を轟かせている。

 タイトル歴は現在保持するIBF世界ミドル級のベルトに加え、元WBAスーパー・世界ボクシング評議会(WBC)世界ミドル級王者でもあり、戦績は43戦41勝1敗1分36KO。世界で最も権威のあるボクシング専門誌「リング」が定期的に全階級のボクサー総じて比較し、体重差に関係なく立ち技最強の座を格付けする「パウンド・フォー・パウンド(PFP)」でも、ゴロフキンは最新のランキングこそ十傑には入っていないものの、これまで上位の常連として何度も名を連ねてきた。

 とにかくゴロフキンは輝かしい経歴を誇るボクシング中量級のスーパースターであり、村田にとっても今までの対戦相手とは比較にならないほど抜きん出た実力者であることに異論はないだろう。下馬評で言えば、村田の勝ち目は薄い。それもあってか、米メディアの間でゴロフキンに関しては村田との統一戦の結果を差し置くような形で早くも9月17日に現4団体統一スーパーミドル級王者の「カネロ」ことサウル・アルバレス(メキシコ)との3度目の対決が内定していると報じられている。

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