お花畑の農業論にモノ申す

2022年4月3日

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 肥料価格の上昇が止まりそうにない。穀物価格やコロナ禍による輸送費の値上がり、中国による環境保護政策の強化などの要素が絡み合い、国内では2021年の夏ごろから肥料の値上げが続いてきた。肥料の三要素の一つ、塩化カリは4分の1をロシアとベラルーシから輸入していたため、ウクライナ侵略に対する両国への経済制裁により、さらなる高騰が予想される。必要以上の化学肥料を漫然と撒く過剰施肥を、いよいよ見直す時期に来ている。

(fotokostic/gettyimages)

 

経済制裁が高騰に追い打ち

「輸入先国を変更し、必要な量を確保するように商社や全農に要請している。春肥に必要な量は確保できている状況」

 農林水産省技術普及課の担当者は、リン酸やカリといった化学肥料について、春から夏にかけての必要量を例年並みに調達できていると強調する。化学肥料は原料の大半を輸入に頼っている。肥料の三要素は窒素、リン酸、カリ(カリウム)で、空気中にある窒素を除けば、原料はいずれも枯渇が心配されている資源だ。日本の肥料消費量は世界の0.5%(18年)に過ぎず、購買力がない分どうしても世界の市況に振り回されることになる。

 そもそも化学肥料が高騰していたところにウクライナ侵略が起きた。特に問題になっているのが塩化カリと窒素肥料だ。窒素肥料の国際市況は、天然ガスの値上がりで高騰している。

 塩化カリはというと、下の円グラフの通り、日本はロシアとベラルーシから計25.5%(20年)を輸入してきた。SWIFT(国際銀行間通信協会)からロシアとベラルーシの複数の銀行が締め出されたため両国への送金が困難になっていて、輸入先を切り替えざるを得ない。

 こうした状況に対し、農水省技術普及課は「カナダに差し替えるように商社や全農に要請しているところ」と話す。ただ、ロシアとベラルーシに経済制裁を科す国々は、日本と同じようにカナダからの輸入量を増やそうとするだろう。そうなると、価格はますます上昇しかねない。

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