新しい〝付加価値〟最前線

2022年5月12日

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多賀一晃 (たが・かずあき)

生活家電.com主宰

スマート家電グランプリ審査員。主催する『生活家電.com』を通じ、家電の新製品情報、使いこなし情報他を発信中。過去、某メーカーでAVメディアの商品企画を担当、オーディオ、光ディスクにも精通。また米・食味鑑定士の資格を有する。水、米、パン、珈琲、お茶の味に厳しい。

挑戦する「タイガー」

タイガー魔法瓶『JBS-A055』

 今年1月に、タイガー魔法瓶は、マイコンジャー炊飯器『炊きたてJBS-A055』を日本市場に投入した。市場売価は、1万4890円(税込)。最大の特徴は、タイガーが美味しいお米の炊き方とする「極うまモード」を持っていることだ。

 メーカーから借りて、テストしてみると確かに美味しい。とは言っても、前述の熱源差をひっくり返すことはできない。あのグループ分け、価格は、日本メーカーが、美味しくご飯を炊くための努力の結果でもある。

 日本で「マイコン」のモデルに過度な期待をするユーザーは、あまりいない。しかし、このモデルは、きちんとした内釜を使っているので、コストもかかっている。だからマイコンの中では美味いのだ。

 ここで考えられるのが、マイコン式のトップモデルとしての中国展開だ。中国で日本メーカーの炊飯器を支持するのは「美味しいコメ」が好きな人だ。しかし、大多数が、機能と健康米に流れても、食の基本である美味しさの潜在ニーズも存在するはずだ。

 タイガーに聞いてみると、グローバル展開を視野に、このマイコンジャー炊飯器『炊きたてJBS-A055』に、以前販売していた「Tacook(タクック) 」の炊飯とおかずづくりを同時にしてしまう機能を盛り込んだモデルを出すことを考えているそうだ。実現すれば、「マイコン」での最強モデル。中国市場にも風穴を開けられるかもしれない。 

タクック。女性にターゲットを絞ったコンセプト。炊飯器を思わせない形、色が特徴

 高級炊飯器で煮詰めに煮詰めた技術の勘所を、上手にマイコンモデルに移植、中国市場に見事ローカラライズさせるというビジネスプランだ。

 現在、日本の若者のコメ離れは強まっている。コメを食べないというのではなく、あまりこだわりを持たなくもなっている。そのようななユーザーを繋ぎ止めるためにも、安価でも、クオリティの高い炊飯器が求められている。タイガーの次の一手、大いに期待したい。

  
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