軍事介入で信頼は取り戻せるのか
台湾情勢へのバイデン氏の軍事介入発言は外交上の駆け引き、ブラフの匂いが強い。仮に米軍が派遣されるような事態になったとしても、1960年代からこの方のあらゆる介入と同様、利害関係にある一部の層が評価したとしても、世界の信頼を取り戻せるだろうか。ごく一部の賞賛だけでプライドを取り戻すのには無理がある。仮にほとんどの国の人々が、世論調査での米国人のように中国を敵視していれば話は別だが、援助を受けている発展途上国も多い中で、中国はそう単純に悪玉と割り切れる存在ではない。
軍事以外でも何かと評価が割れる「米国」が世界的な信頼を取り戻すのは簡単ではない。歴史から見れば、近場の中南米であれアジアであれ、米国による軍事介入はうまくいくとは限らない。そうなれば米国(人)の自信回復はまた遠のくことになるだろう。

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〝人手不足〟に喘ぐ日本で、頻繁に取り上げられるフレーズがある。「外国人労働者がいなければ日本(社会)は成り立たない」というものだ。しかし、外国人労働者に依存し続けることで、日本の本当の課題から目を背けていないか?ご都合主義の外国人労働者受け入れに終止符を打たなければ、将来に大きな禍根を残すことになる。
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