2022年10月7日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2022年7月6日

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 ロシアは強権指導者に率いられる酷い迫害を伴う権威主義体制を続けそうであるが、ロシア人とウクライナ人は兄弟民族であり、ウクライナが自由民主主義で迫害もなく生きていく中で、ロシアでは今の権威主義体制に対する反発は大きくなってくるだろう。

経済的にもウクライナに寄与

 経済的にはウクライナの一人当たり国内総生産(GDP)はEUで最も低いブルガリアの半分にもならない。ウクライナ人労働者がEU諸国で働くだけでも、ウクライナは大きな経済的便益を受け取り、加盟当初から何年かは高い経済成長を達成するだろう。他方で、ロシアは、エネルギー輸出が気候変動対策で脱炭素化の流れの中で伸びず、ますます苦境に陥るだろう。

 ロシアにとってはウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟よりもEUとの統合の方が脅威であるように思われる。それが現実味を帯びてきている。大変歓迎できることである。

 なお、ロシアのメドヴェージェフ前大統領は、2年後にはウクライナは世界地図から消えているだろうと発言している。これはプーチンが当初の数日でキーウを占拠、ゼレンスキーを排除し、親ロシアの傀儡政権の樹立を企画したことが実行されるとの前提の話であり、今はその可能性はない。

 プーチン自身はウクライナが軍事組織ではないEUに入ることに反対しないと、サンクト・ペテルブルグの国際経済フォーラムで述べた。プーチンは、今やウクライナの存続を前提にした話をしている。

  
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