2024年4月16日(火)

オトナの教養 週末の一冊

2022年7月15日

エルドアン大統領が評価するスルタンとは?

 「今回、オスマン帝国史をハレムという内側の組織から全期間検証してみて、新たに気づかれたことはありますか?」

 「19世紀以降の、近代化し西洋化した帝国の内実というのは興味深いですね。これも近年の史料研究の成果ですが」

 スルタンは計36人いたが、第30代マフムト2世は19世紀前半、帝国の近代化を推進し、トプカプ宮殿を去って新しい宮殿に移った。

 「気になるのが第34代のアブデュルハミト2世です」

 19世紀後半から20世紀前半にかけて約30年間専制政治を行ったというスルタンだ。

 「彼は帝国憲法や議会を停止させ、反動的にイスラム主義を復興させたので評判が悪かったのですが、最近の親イスラムのトルコでは、〝多面的な魅力があった〟と再評価されているんですね。現在のエルドアン大統領も彼を高く買っている一人です」

 私は咄嗟に、16世紀のウクライナ系寵姫のヒュッレムなどスラブ出身の著名な妻妾らを思い出した。今回のウクライナ侵攻で仲介役に積極的なエルドアン大統領率いるトルコ。600年に及ぶオスマン帝国の陰は、当然のように現代に及んでいるのか?

   
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