「平時の備え」が有事に生きる──。日本でもタブーなき議論を行い、備えを万全にすべきだ。「Wedge」2022年11月号に掲載されているWEDGE SPECIAL OPINION「台湾統一を目論む中国 「有事」の日に日本は備えよ」では、そこに欠かせない視点を提言しております。記事内容を一部、限定公開いたします。全文は、末尾のリンク先(Wedge Online Premium)にてご購入ください。
今年8月のペロシ米下院議長の訪台に、中国は大規模な軍事演習で応えた。「台湾有事」が現実味を増す中で、日本のとるべき道とは何なのか。中国の内情とはいかなるものか。日本の防衛体制は盤石なのか。トランプ政権下で米国防副次官補を務めたエルブリッジ・コルビー氏をはじめ、気鋭の専門家たちが、「火薬庫」たる東アジアの今を読み解いた。
中国が台湾周辺で弾道ミサイル発射などの「重要軍事演習」を実施し、〝威嚇〟を繰り返していた8月6~7日の両日、日本戦略研究フォーラム(JFSS)主催の「第2回台湾有事政策シミュレーション」が開催された。
初めてだった昨年は「いかに抑止し、対処するか」を副題に、台湾有事が発生した場合──中国によるサイバー攻撃や台湾本島への軍事侵攻、尖閣諸島や与那国島の占拠など──どのような様相となり得るか、4つのシナリオで検証した。
2回目となる今年は、「いかに備えるべきか」に主眼を置き、筆者は当日のシナリオ作成の主担当として、台湾有事に際して日本が備えておくべき体制や解決すべき課題を抽出し、政策提言につなげることを目指した(シナリオ内容は下表)。
シナリオはタブーを排して、起こり得る事態を想定した
同時に、政治家や政策担当者、国民の関心を高めるため、シミュレーションの状況を新聞・雑誌・テレビなどの各種メディアやオブザーバーに広く公開することとした。当日は首相や官房長官、財務相、防衛相、外務相、国土交通相、経済産業相役などを担う10人の現職国会議員にもご参加いただき、大きな関心を集めた。