2023年2月2日(木)

WEDGE REPORT

2022年11月30日

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安田峰俊 (やすだ・みねとし)

ルポライター

広島大学大学院文学研究科博士前期課程修了。『八九六四「天安門事件」は再び起きるか』(KADOKAWA)で第5回城山三郎賞・第50回大宅壮一ノンフィクション賞をW受賞。近著に『「低度」外国人材 移民焼き畑国家、日本』。

 習近平政権の硬直的な政策に不満を持つ富裕層が、水面下で日本へ移住し始めている。莫大な資産を持ち、公正な市場を望む彼らを、日本はどう受け入れ、生かすべきか。
 『Wedge』2022年11月号に掲載されているWEDGE REPORT「コロナ統制を機に続々来日 中国を脱出する新移民たち」では、そこに欠かせない視点を提言しております。記事内容を一部、限定公開いたします。全文は、末尾のリンク先(Wedge Online Premium)にてご購入ください。
2015年に収賄で失脚した中国共産党高官・令計画の往年の別荘とされる京都市東山区の邸宅。現在もなお、このクラスの邸宅が富豪たちに売れていく(筆者提供) 

 「今年4月以降、中国からの問い合わせが一気に増えました。9月までに毎月5~6件が成約し続けています」

 筆者の取材にそう話すのは、JR京都駅前にオフィスを構える不動産会社「仁通」(京都市南区)代表取締役の劉丞氏(34歳)だ。留学生として同志社大学に在学していた2012年に起業し、外国人の視点から不動産売買の最前線を見続けてきた。現在も顧客の6~7割は中国人だ。

 コロナ禍前まで、京都における中国人の不動産投資の定番は、ホテルやゲストハウスに転用できる町屋の購入だった。今年初めごろまではコロナ後を見越して物件を持ち続ける人も多かったというが、インバウンド再開の遅さに断念。手放す動きが増え、町家物件は閑古鳥が鳴いているという。

 だが、今年4月から新たな地殻変動が起きた。習近平政権下での徹底したゼロコロナ政策のもと、上海が約2カ月にわたってロックダウン下に置かれたことで、富裕層や高学歴層が中国社会のリスクの大きさを痛感。投資ではなく移住を目的に、劉氏の会社に連絡をしてくるようになったのだ。

 「よく売れているのは、家族と居住できる住宅です。京都市街地の北部、左京区あたりの閑静な地域で、数千万円の戸建てが人気。経済力によっては嵐山あたりに数億円の豪邸を購入する方も珍しくありません」


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