2024年2月27日(火)

社会の「困った」に寄り添う行動経済学

2023年1月30日

阿部先生 広島大学と連携して、課題研究のために、研究の方法や統計に関する講座を提供しています。その内容を踏まえて、生徒たち自身が考案しました。

佐々木先生 なるほど。生徒さんの自主性・独創性と、大学や先生からの知識提供がうまく絡み合い、課題研究の質が高まるのは理想的ですね。

 みなさんのナッジを活用した課題研究と、他の生徒さんの課題研究はどのような違いがあると思いますか?

両見さん 私たちのアイデアが身近な課題の解決に実際に役立つかもしれない、という実感を持てる点が違っているような気がします。

阿部先生 多くの生徒は自然科学のトピックで課題研究に取り組みます。精度は高いのですが、ミクロな視点のものが多い。ナッジの活用は、日常生活の課題解決に貢献できるという特徴があると思いました。

佐々木先生 ナッジを活用した課題研究が他の高校に広がれば、「自分も社会を変えられるかもしれない」という意識が、若い人たちの間で高まるかもしれないですね。

 今回の研究では、真っすぐに停める点では養生テープ、自転車間の距離を揃える点では「自転車の乱れは心の乱れ」というメッセージやイラストの掲示が効果的だろうとの結果でした。

 今後に向けての展望はありますか?

堀井さん 高校の外でも同じような実験をしてみたいです。実は自宅マンションの駐輪場で一度やってみようとしたのですが、管理人さんとの交渉がうまく進まなくて……。

佐々木先生 それは残念。でも、今すぐ実行できなくても、みなさんが大学生や社会人になると、だんだんと実行できるようになると思います。諦めずにアイデアは持ち続けておいて、ぜひ、近い将来に実現させてくださいね!

【ひとくちメモ】
「国や社会は変えられる?」
日本財団が2019年に世界9カ国の17〜19歳を対象に実施した意識調査によると、「自分で国や社会を変えられると思う」と回答した日本の若者は、18.3%だった。これは9カ国中最低で、2番目に低い韓国(39.6%)の半分以下にとどまっている。

 

   
▲「Wedge ONLINE」の新着記事などをお届けしています。


新着記事

»もっと見る