2024年7月20日(土)

デジタル時代の経営・安全保障学

2023年1月27日

 2022年12月16日に「国家安全保障戦略」、「国家防衛戦略」、「防衛力整備計画」のいわゆる「防衛3文書」が閣議決定された。「防衛力整備計画」では、高速滑空弾を新たに開発し、量産するほか、12式地対艦誘導弾の性能を向上させ、射程を伸ばすなど、遠距離から侵攻戦力を阻止する「スタンド・オフ防衛能力」を強化することが明記された。

(DVIDS)

 なかでも巡航ミサイル「トマフォーク」を米国から購入し、2027年度までに配備することは、「防衛力整備計画」の目玉といってもよく、米国政府に対して大きくアピールすることとなった。また、サイバー防衛隊の人員を27年目途に4000人に拡充するとともに、サイバー関連部隊の要員と合わせて防衛省・自衛隊のサイバー要員を約2万人体制とするとしている。

米国の研究所が示した台湾侵攻シミュレーション

 「防衛3文書」の閣議決定を後押しするかのように、米国の超党派のシンクタンクの一つである戦略国際問題研究所(CSIS)が、1月9日、「The First Battle of the Next War - Wargaming a Chinese Invasion of Taiwan (次の戦争の最初の戦い - 台湾の中国侵略のウォーゲーム)」というレポートを発表している。このレポートは、26年に中国が台湾上陸作戦を実行するとの前提で、過去のデータと作戦研究を応用してウォーゲームを設計し、シミュレーションした結果についての報告書である。

 例えば中国の水陸両用リフトの上陸可能性については、類推される過去の軍事作戦事例として、ノルマンディー、沖縄、フォークランドの分析に基づいている。また、空港を防衛するために必要な弾道ミサイル数の決定には、兵器性能データに基づいた判断が用いられている。

 シミュレーションは、24回行われ、2回は、米国と日本が数十隻の船、数百機の航空機、数千人の軍人を失うという結果であり、米国の世界的な地位を何年にもわたって損なうだろうと結論付けている。ほとんどのシナリオで米軍は、2隻の空母と10から20隻の艦艇と約3200人の米軍兵士が3週間の戦闘で戦死するとした。この死者の数は、イラクとアフガニスタンでの20年間の戦闘で失ったほぼ半数に匹敵する。日本も100機以上の戦闘機と26隻の自衛艦を失う可能性が高く、日本本土の米軍基地が中国軍の攻撃を受ける可能性が高いとしている。


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