いっぺんにたくさんのお父さんをゲット!
「あのさぁ、今の子どもは上棟式なんて見たことないじゃん?」と、毎回の飼育小屋の作業後に千円会費で行う「アレの会」の席上、くだんの建築士のお父さんとは別な一級建築士のベテラン父さんがいいました。この時点では、3人もの一級建築士のお父さんが参加していたんです。エヘン!
「そうだよね、秋津は団地だしね」と若いお父さん。
「だからさぁ、上棟式をやろうよ! その日は作業を休んで餅をついたりして遊ぼうよ!」とベテラン父さん。
てなことから、上棟式をやることに即決定!
上棟式は、基礎ができ柱が組みあがったころに行う、完成するまでの作業者の安全を祈願する行事です。本来は神主さんに祈祷をしてもらうんですが、学校なので宗教色は抜きにして行いました。
シャイなお父さんを輪の中に!
そして、お楽しみの当日。
「そーれ、いくぞ!」のお父さんたちのかけ声とともに、真っ青な空にすいこまれるように紅白餅が飛びかい、飴玉が走り、小銭の入ったおひねりが舞います。
下では大勢の子どもやエプロンを大きく広げたお母さんたちが「ワー!」「キャー!」とうれしそうに叫びながら拾いまくります。
で、こんなイベントの際のリーダーのチョー重要な役割を大公開しましょう。
写真をよく見ると、子どもたちの背後に何人ものお父さんのお顔がのぞいていますよね。
上棟式に興味があるから来てるんですが、はじめて来たお父さんたちって意外とシャイ。だから輪の中には入らず外側に点在しているんだよね、これが。
「ねね、お父さんの子はどの子?」と、新参お父さんにすりよってたずねます。
「えーと、あの子」と女の子を指差してお父さん。
「えーっ、かわいいね!」と、ウソでもいいからリーダーはいいながらその女の子に近づきます。
「ねえ、お父さんと一緒に拾おうよ!」といいつつ本当はかわいい女の子の手をとりお父さんの手とつながせます。そしてふたりを輪の中に強引に押し込んじゃいます。
この強引さもリーダーの重要な資質なんです! ハイ!