米ウォールストリート・ジャーナル紙コラムニストのオグラディが2月12日付の同紙論説‘Cuba Dare Biden to Look Away’で、キューバがイランなどと組んでペルーなどの左傾化を工作しているにも関わらず、バイデン政権は対キューバ制裁の緩和を意図している、と批判している。要旨は次の通り
ワシントンが中国の偵察用気球で大騒ぎをしていた2月4日の朝、イランのアブドラヒアン外相が、ニカラグアとベネズエラを経てキューバを訪問した。バイデンは、数カ月前から、制裁を緩和したい意向を示している。
キューバとイランは、ロシア、中国、ベネズエラ、ニカラグア及びボリビアと同盟を結ぶ反米独裁国家であり、両国とも、シリアや北朝鮮と並んで米国のテロ支援国家リストに名を連ねている。
トランプ前大統領は、2019年にコロンビアの反政府勢力をキューバが支援していることを理由に制裁を強化、2021年にはキューバをテロ支援国家に再指定した。バイデンは2020年の大統領選挙キャンペーンで、キューバが行うと述べたコミットメントを守るのであれば、オバマ大統領のキューバ関与政策に復帰すると公約した。キューバによるそのようなコミットメントの公的な記録はない。
2021年7月、前例のない全国的な抗議行動に対するキューバ政権の弾圧があり、バイデンは、キューバとの和解を遅らせたが、止めはしなかった。
キューバ・イラン同盟の工作により、多くのラテンアメリカ諸国の政権が転覆させられた。ペルーが最近のケースであり、安全保障の専門家によれば、10年以上にわたってペルーに侵入し民主主義を破壊しようとする工作があった。
2015年3月、ペルーの元内務次官で政治・安全保障アナリストのダルド・ロペス・ドルスは、米国下院小委員会で、キューバ、ベネズエラ及びボリビアの影響下にあるペルーの活動家とイランとの間につながりが構築されており、キューバとベネズエラの組織は、ペルーの民主主義制度を破壊し弱体化させ、社会主義的なイデオロギーを広めることを目的として、少なくとも2005年から活動していたと述べ、その脅威を明らかにした。
ロペス・ドルスの証言記録から、この地域におけるキューバ・イランの脅威をより完全に理解でき、キューバを米国のテロ支援国家リストから外すことを正当化する余地のないことが分かる。
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ラテンアメリカには、レバノンやパレスチナのアラブ系移民も多く、特に、イランの支援を受けたレバノン・シーア派のヒズボラが、活動資金獲得のため南米で、商業的あるいは非合法の麻薬取引などに関与しているとの疑いは既に2000年代から指摘されていた。
そのような活動を、反米の立場を共有するイランとキューバが支援し、更にベネズエラやボリビアが地域の内政に秘密裏に介入しているとの憶測を呼んでいる。
昨年12月以来のペルーにおける反政府活動については、もちろん自然発生的な部分もあろうが、先住民や貧困農民が何日も抗議活動に参加し、また、遠く離れたリマに動員する費用を誰が負担しているのか、また、特定の鉱山や工場、銀行などの襲撃は、自然発生的とは考え難く、誰が扇動しているのか疑問がある。