2024年12月4日(水)

オトナの教養 週末の一冊

2023年5月5日

 大型連休が早くも後半に突入した。今年は日並びが良く、最大で9連休を満喫されている方も多いだろう。家族サービスや戸外でのアクティビティも一段落し、連休後半戦でじっくりと本を読みたくなった方に向けに、いま手軽に読んでおきたい様々な「リセット本」3冊をご紹介する。

(Kriangsak Koopattanakij/gettyimages)

ウイスキーの歴史と楽しみ方

 今年は日本のウイスキーの歴史が始まってちょうど100年になる。この春に刊行され、国産ウイスキーの歴史を詳しく解説する本が『絵とマンガでわかる ウイスキー1年目の教科書』(佐々木太一著、KADOKAWA)である。

 元バレーボール日本代表から「ウイスキーの伝道師」に転身した著者によるウイスキーについて基礎からわかる解説書で、タイトルに「1年目」とあるゆえに内容もそれなりかと思いきや、さにあらず。内容は非常に充実している。

 本書では、ウイスキーがどんなお酒なのかという説明から始まり、樽の材質や大きさがウイスキーの味を決めること。ウイスキーのおいしい味わい方や世界の5大産地などについても詳しく解説している。ウイスキーの飲み方など、これまであえて教えてもらう機会もなく体験的に学んだ人も多いだろうが、プロの指導による飲み方が体系的に紹介され非常に参考になる。

 このほか、ウイスキーの世界5大産地であるスコットランド、アイルランド、米国、カナダ、そして日本についての解説も興味深い。それぞれの産地を代表する銘品を紹介し、その特徴を丁寧に記しており、読んでいるだけで飲みたくような気分になる。

 本書は初めてバーに行く人のための心得や作法などについても触れる。格好付けることなく、できるだけ紳士的な態度で、わからないことはバーテンダーに臆せず聞いてみることなどが上手くコミュニケーションを図るコツだという。

 近年ハイボール人気でウイスキー需要は増えているが、100年という節目でウイスキーの基礎知識を仕入れたうえで、国産のウイスキーを正統的なスタイルで味わうのも悪くない。本書とともにウイスキーを楽しむことで、ライフスタイルをリセットしてもいいだろう。


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