2024年4月21日(日)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2023年7月13日

 6月22日付の米ワシントン・ポスト(WP)紙は「米国のアジア同盟国は静かに中国への対抗に参加」との同紙コラムニストのジョシュ・ロウギンの論説記事を掲載し、中国と対峙する上で、サリバン大統領補佐官訪日と初の日米比韓高官のミニラテラル開催はブリンケン国務長官の訪中より重要だと指摘している。

2023年6月15日、日本、韓国、フィリピンの担当者らとの会談のため来日したジェイク・サリバン米国大統領補佐官(写真:ロイター/アフロ)

 ブリンケン訪中で、中国が米国とアジアの同盟国が懸念する安全保障上の問題に対応するつもりがないことが明らかになった。習近平は軍同士の危機管理連絡網さえも拒み、より宥和的な経済閣僚の訪中を待っている。 

 その一方で、サリバン補佐官が訪日し、最重要パートナーである日韓比のカウンターパートと会合を持った(日米韓/日米比協議)。長期的には、これは中国の台頭に対応する上でブリンケン訪中より重要になるだろう。

 史上初めて日米比の安保補佐官が一堂に会した。日米韓の安保補佐官会談は最近まで考えられなかったが、日韓両首脳は過去の怨念から離れ、中国の敵対行動に共に対抗するという大きな政治的リスクを取った。今年後半、日米韓首脳は初めてワシントンで会談する。これらの国の対中姿勢は、中国の軍事力拡大、戦狼外交、経済的威嚇が最大要因だ。

 インド太平洋は広大かつ多様で、中国の経済的魅力が引き続き強いのも確かだ。フィリピンなど、米国と同盟国との安保協力強化を目指しているが、中国と完全に敵対もできない。しかし、このようなミニラテラル(少数の有志国による枠組み)は地域の安全保障枠組みを大きく変貌させつつある。中国の反発はその重要性を理解しているからだ。

 米国とパートナーは、中国が墓穴を掘っている結果、インド太平洋地域で集団安全保障的対応に傾斜している。中国の台湾への威嚇増大の結果、軍事協力、戦略的計画、外交的調整で大きな進展があることには勇気づけられる。

 しかし、多くの地域の同盟国は、バイデン政権の政策には強力な経済的要素が欠け、国際主義への米国の関心が弱まっていると懸念する。技術やエネルギー安保で真の協力を構築しようとする米国の計画は未実現だ。米国の一層の関与とプレゼンスを求めるアジア同盟国の希望に沿うには、米国政府と議会、国民が地域への資源投入拡充を支持しなければならない。

 目的は中国封じ込めではなく、地域の同盟国の主権と繁栄を下支えする秩序の維持だ。中国は、アジアの同盟国の米国からの離反と相互対立を目論んでいるが、それは同盟国を団結させている。後は、米国がこの状況を活用できるかどうかだ。

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 上記は、インド太平洋地域における米国と同盟国・パートナーとのミニラテラル(以下、ネットワーク)進展の重要性を指摘するロウギンの論説だ。近年、中国がやり過ぎた結果、墓穴を掘り、逆に米国と同盟国の連携を深めたという指摘は正しい。ただ、この論説は米国の同盟国間の協力強化に焦点を当てているが、実際のネットワークの有用性はこれに留まらない。同盟関係には至らないが重要な国への対応でもネットワークは有効な枠組み足り得るのだ。


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