2024年4月14日(日)

Wedge OPINION

2023年8月19日

「Wedge」2023年9月号に掲載されている「きしむ日本の建設業 これでは国土が守れない」記事の内容を一部、限定公開いたします。

 中国経済に異常が生じている。成長率は政府の掲げる5%台の達成が危ぶまれ、都市部若年層の失業率は21%以上に達する。これは長年の経済運営の根源的矛盾が、遂に噴出している証拠である。

中国が積極的な外交を通じて取り込もうとしている地域は、自らの歴史的な「勢力圏」だと考える範囲と重なる(PHOTO BY KYODO NEWS/GETTYIMAGES)

 自由市場経済では、構造上の欠陥や矛盾に起因する問題が生じると、市場の力学で修正を迫られ、政策的・社会的介入によって改善が積み重なる。それは非効率的に感じられるが、長期的に最適解が得られることは歴史が証明している。

 しかし、「社会主義市場経済」と称する中国では、独特の政治の論理が優先される。中国共産党の専制的支配体制の維持こそが最優先課題で、経済がその妨げになることは許されない。自由市場経済では「神の見えざる手」を超越できないが、「社会主義市場経済」では中国共産党が〝総て〟を規定する。そこに問題の根源がある。

中国経済の現況に見る
社会主義市場経済の限界

 中国でこの四半世紀に行われてきたのは、構造改革が統治に影響することを避けたい為政者と官僚機構による、場当たり的な政策対応であり、これをマクロの規模的膨張と景気維持で呑み込み、覆い隠すものであった。一見すると、コンセンサス形成に時間を要する自由市場経済や民主主義と対比して迅速・機動的に見えるが、実は応急処置と問題の先送りにすぎない。それが中央政府、地方政府、国営企業などのあらゆるレベルで繰り返された。


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