2024年7月21日(日)

World Energy Watch

2023年8月30日

 インドは日米豪印4カ国の枠組みQuad(クアッド)の一角であり、米国や日本にとって重要なパートナー国である。一方、ブラジル、ロシア、中国、南アフリカと構成するBRICSや中国とロシアが主導する地域協力組織「上海協力機構(SCO)」の加盟国として、西側陣営に対抗しうる勢力とも連携している。特に、インドはロシアと強固な繋がりを維持しており、インド・ロシア関係は政治・軍事面に加え、石油と原子力を軸としたエネルギー分野でも大きく進展している。

(Andrea Nicolini/gettyimages)

冷戦期から続くインド・ロシアの協力関係

 インドとロシアの協力関係は冷戦期に遡る。インドは1971年8月、当時のソ連と「平和友好協力条約」を締結したことで、独立以来の非同盟政策を転換し、ソ連への接近を図った。ソ連との関係強化の背景には、対立を深める隣国パキスタンや中国との有事になった場合、インドはソ連から軍事支援を得る狙いがあった。

 また、インドがソ連との協力を必要としていた理由は、ソ連が国連安全保障理事会でインドのために拒否権を行使してくれる可能性があったからだ。実際、71年12月に起きた第3次印パ戦争で、停戦を求める西側諸国の決議案に対し、ソ連が幾度も拒否権を行使し、インドの勝利を後押しした。

 政治面での連携に加え、インドは1960年代よりソ連から武器供与を受けてきた。ソ連の崩壊後も、インドにとってロシアが武器の主要調達先である。ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の統計によれば、1992年~2021年のインドの武器購入額で、ロシア製の割合が65%に達した。

 カーネギー国際平和基金(CEIP)の22年9月発行の報告書によると、インド装甲兵力の圧倒的多数がT-72やT-90Sといったソ連製/ロシア製の戦車で構成され、MiG-21、Su-30、MiG-29といった対地攻撃機もロシア製だ。また、唯一の空母と原子力潜水艦もロシアから引き渡された。さらに、インドはロシア製ミサイル防衛システム S-400の導入を進めるなど、軍事面でのロシア依存が際立っている。

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