2024年4月29日(月)

霞が関の危機は日本の危機 官僚制再生を

2024年1月29日

 官僚を苦しめている質問主意書。何のための質問か、国会議員はもっと考えてほしい。

 国会議員は、内閣宛てに文書で質問することができる。この文書が「質問主意書」で、内閣は主意書を受領した日から7日以内に答弁しなければならない。

(イラスト:マグマ・ジャイアンツ)

 日本はれっきとした民主主義国家であり、質問内容を制限することはできないし、すべきではないだろう。だが、質問数を稼ぐための〝ツール〟や国会議員の〝アピール〟として多用されれば、制度の価値を下げ、回答作成に追われる官僚も疲弊するばかりだ。

 国民の関心の低さや日頃報道されないのをいいことに、法案や政策に無関係な質問がまかり通れば、霞が関の機能は著しく毀損される。官僚の時間は決してタダではなく、国会議員はその質問が「国民のためになっているか」という観点を常に意識すべきだ。

 国民も、国会議員が日頃どのような質問をしているのか注目し、彼らに「国民から見られている」という良質な緊張感を持ってもらう必要がある。

(出所)参議院HPを基にウェッジ作成

(注)質問者の役職・所属政党はすべて質問時のもの。質問と回答は2013年(最上段)の回答を除きすべて抜粋

Q 総理大臣公邸には、二・二六事件等の幽霊が出るとの噂があるが、それは事実か
2013年5月15日質問より
質問者:加賀谷 健 参議院議員 民主党(当時)

A お尋ねの件については、承知していない

Q 「セクシー」であるべき行政事務は内閣にあるのか
2019年10月4日質問より
質問者: 熊谷裕人 参議院議員 立憲民主党

A  「小泉発言」における「sexy」という語については、文脈によってその意味することが異なり得るため、ニュアンスも含め、正確な訳出は困難であるが、例えば、ロングマン英和辞典(初版)によれば、「(考え方が)魅力的な」といった意味があるものとされていると承知している


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