2024年12月23日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2024年5月1日

 行事を通じて、バイデンや米国側の真正な温かい歓迎を感じるし、米国の日本への信頼感の向上も窺われる。10年、20年前も日米は緊密だったが、今や一層成熟した同盟関係になっている。

 さらに、今回の首相の晩餐会での挨拶、米議会演説は、内容、表現ともに秀逸だった。特に議会演説で、「もちろん、米国のリーダーシップは必要不可欠です」、「米国は独りではありません。日本は米国と共にあります」と述べ、「こうした努力に対し、ここ米国連邦議会では、超党派の強力な支持がいただけるのではないでしょうか」と同盟国として釘を差すことも忘れなかった。

 これらの下りは、関係者に強い印象を残したことは間違いない。「グローバル・パートナー」を強調したのも良かった。今後の行動が大事である。

強まるインド太平洋の結束

 今回の首相訪米を機に、4月11日米国は、フィリピンのマルコス大統領を招き、日米比三国首脳会談を行い、共同声明を出した。三者会談の発案者には拍手を送りたい。

 ワシントン・ポスト紙のロウギンが「中国のお陰で、米国は新たに強力な同盟を得た」という記事(4月10日付)を書いている。これは、日本とのAUKUS連携の発表と相俟って、インド太平洋の同盟・友邦国間のネットワークが当該地域の特質を踏まえ乍ら進化し、前進していることを示している。

 AUKUSについては当初、唐突で、実現可能性についても慎重な感を抱いたが、今や段々と意味あるものに育っている感じを持つ。サリバンのいう「格子状lattice-like」のネットワークが旨く育つように、日本も最大限の努力をしていくべきだろう。

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