2024年7月16日(火)

令和の日本再生へ 今こそ知りたい平成全史

2024年6月9日

「1人の100歩より、100人の1歩」

─開発担当者の粘り強さはもちろんですが、社員が働く意欲を尊重する経営者の度量の大きさを感じます。

岩尾 経営において大切なのは毎日起きる「失敗」をどう捉えていくかだと思います。

 例えば、どんな人にも必ず長所と短所があるように、起こる出来事にも必ずプラス面とマイナス面があるはずです。人間でいえば誰かの長所で別の誰かの短所を打ち消す、出来事なら起こったことのマイナス面を次の打ち手のプラス面で打ち消していく。このパズルを解くことが経営の本質だと思うのです。

 これにより、人がバラバラで生きるよりもみんなで集まった方が、短所が打ち消されて良い組織になる、あらゆる出来事が経営によってプラスに変わると、個人的には理解しています。

中島 完全に同意します。私が社長に就いてからの活動メッセージは「1人の100歩より、100人の1歩」です。1人のスーパーマンがいくら頑張ったとしても、いつか疲れが出てしまう。たとえ一段ずつでも、100人が階段を一緒に上るつもりで努力すれば、筋肉質で逆境にも強い組織になります。

 また、私は、世の中に100%の失敗なんてなく、挑戦した時点でプラスであると捉えています。私の感覚では、失敗の中にも3~4割はプラスの側面があり、それを掬い上げるのが経営者の役割であると考えています。

 経営者の失敗は経営問題に直結しますが、若い頃の失敗が原因で会社が潰れるようなことは滅多にありません。だから、若い人はどんどん失敗するべきです。アインシュタインは、「一度も失敗をしたことがない人は、何も新しいことに挑戦したことがない人である」という名言を残しています。ただし、先人の知恵や歴史から学ぶことは必須であり、「しなくてもいい失敗」はすべきではありません。

 私は日頃から社員に対し、「見た」「聞いた」だけでは「経験」にはならないということを伝えています。例えば、お店に新発売の商品があったら、「見る」だけでなく、試しに「買って」みて「食べて」みて、今までと何が違うか「考える」ことが経験だと伝えています。

※こちらの記事の全文は「Wedge」2024年6月号で見ることができます。

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Wedge 2024年6月号より
平成全史
平成全史

「平成全史」特集後編では、事件、災害、雇用、教育など、主に社会問題について考える。「失われたX年」と、過去の栄光を取り戻そうとするのではなく、令和の時代にどのようなビジョンを描き、実行していくのか?それは、今を生きるわれわれ自身にかかっている。


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