2024年8月10日(土)

BBC News

2024年8月10日

パリ・オリンピック(五輪)は競技14日目の9日、レスリングの女子57キロ級で櫻井つぐみが、男子フリースタイル57キロ級で樋口黎が、ともに金メダルを獲得した。レスリング日本勢の金は4日連続で、計5個となった。スポーツクライミング男子のボルダー&リードでは、安楽宙斗が銀メダルを勝ち取った。前回の東京五輪から正式競技となったスポーツクライミングで、日本の男子選手がメダルを手にしたのは初めて。

五輪初出場のレスリング女子57キロ級の櫻井は、前日の1回戦2回戦を危なげなく勝ち進んだ。準決勝ではアメリカのヘレン・ルイーズ・マルーリスに先にポイントを奪われたが、逆転して10-4で決勝に進んだ。

この日の決勝はモルドヴァのアナスタシア・ニキタと対戦。櫻井は前半、果敢な攻めで相手の背後を取るなどし、4-0とリードした。

後半も積極的に攻め続け、ポイントを追加。6-0で勝って金メダルを獲得した。

櫻井は試合後のインタビューで、「ここで優勝するために練習してきたので、いろんな人に支えてもらってここまで来ることができて、優勝できて本当によかったです」と喜びを語った。

銅メダルはアメリカのマルーリス中国の洪可新が手にした。

樋口は2大会ぶり出場で金メダル

レスリング男子フリースタイル57キロ級の樋口は、リオデジャネイロ五輪で銀メダルを獲得しており、2大会ぶりの出場だった。

前日の1回戦は、相手棄権による不戦勝。2回戦準決勝は、ともに10ポイント差以上をつけるテクニカルスペリオリティーで勝利した。

この日の決勝の相手は、アメリカのスペンサー・リチャード・リー。前半、樋口は相手に2度、場外に押し出され、0-2とリードされた。

後半に入ると、樋口はタックルから2ポイントを奪って同点に。さらに、残り3秒を切って相手を倒し、2ポイント追加。4-2として金メダルを決めた。

試合後のインタビューで樋口は、「金メダルを取るまで簡単な道のりではなかったですし、たくさん負けて、計量失格もして、たくさんの挫折と絶望を味わってきたんですけど、自分が絶対金メダルを取れると思って信じてここまでやってきた」と述べ、コーチや仲間の支援に感謝。

「応援して下さっていた方々も、たくさん挫折や絶望があると思うんですけど、この大会を通して、希望や感動や一歩踏み出す勇気、くじけたときにそこから踏み出せるようなパワーを与えられたのだとしたら、スポーツの力として伝わっていると思うし、アスリートとしても本懐で、これ以上ない頂上であると僕は思います」と話した。

銅メダルはインドのアマン・アマンと、ウズベキスタンのグロムジョン・アブドゥラエフが勝ち取った。

17歳の安楽が初出場で銀メダル

スポーツクライミングのボルダー&リードは、今大会から競技形式の変更でつくられた新種目。高さ約4.5メートルの四つの壁(課題)を制限時間内にいくつ登ることができるかを競うボルダーと、高さ約15メートル超の壁を1回6分間の挑戦でどこまで登れるかを争うリードの合計ポイントで勝負する。

17歳で五輪初出場の安楽は、5日のボルダー準決勝でトップに立つと、7日のリード準決勝でも4位の高ポイントを獲得。合計1位でこの日の決勝に進んだ。

決勝では前半のボルダーで、安楽は4課題のうち二つを完登。他の2選手も同様に2課題を攻略したが、第1課題を「一撃」(1回の挑戦で登り切る)でクリアした安楽が首位に立った。

後半のリードでは、東京五輪の複合で銅メダルを獲得したオーストリアのヤコプ・シューベルトが完登手前まで登り、合計139.6ポイントで暫定トップに。その後、前半3位につけていたイギリスのトビー・ロバーツも完登近くまで到達し、合計155.2ポイントとして暫定首位に立った。

安楽は最後に登場。着実に最上部へと迫ったが、もう少しで金メダル確定というところで落下し、リードは5位に。合計145.4ポイントで、銀メダルを獲得した。金メダルはロバーツ、銅メダルはシューベルトが手にした。

安楽は競技後、「ボルダーでの疲労の切り替え」がうまくいかなかったと説明。リードについては、「途中のパートでぐらぐらして、いつ落ちてもおかしくなくて、ダメダメな登りだった。リードは完敗ということですね」と振り返った。

そして、「今まで一生懸命やってきたんですけど、すごく悔しいです」と心境を述べた。

(英語関連記事 Paris 2024 Olympics medal results

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cx2xdzq15v2o


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