――まず子どもの頃のことをお聞きしたいのですが、どんな少年時代を過ごされていたのでしょうか?
斎藤成也氏(以下、斎藤氏):幼い頃から本好きな子どもでした。父親が数千冊の蔵書を持っていたので、そのような環境で育ったことも影響していたと思います。
斎藤成也氏(撮影:書籍部、以下同)
ただ私自身は、学校の図書室で借りて読むことが結構多かったですね。私が通っていた小学校は一、二年生は図書室に入れなかったのですが、本が好きだから、と母親が先生に頼んでくれて、特別に出入りさせてもらっていました。
今でも覚えていますが、初めて借りた本のタイトルは、変な名前だから選んだのですが「キュウリ夫人」だと思ったら「キュリー夫人」だったということがありましたね(笑)。
とにかく本が好きだったので、小学校の後半から中学校、高校を通して、3学期のうち一回は図書委員をやっていました。
小学生の頃は、もう若い人はご存じないかもしれませんが、薪を背負って本を読む二宮金次郎という感じでしたね。ランドセルを背負って家に帰るまでの15分ほどのあいだでしたが、待ちきれなくて歩きながら図書館で借りた本を読んでいました。
読書以外では、父親が陶芸家だった影響もあると思いますが、小さい頃から絵を描くのが好きで、クラブ活動はずっと美術部に入っていました。今はなかなか時間が取れませんが、絵を描くことは続けていきたいです。
――幼い頃に読んだ本の中で、特に印象に残っているものがあれば教えてください。
斎藤氏:たぶん父親が買ってくれたと記憶していますが、『世界探検ものがたり 一年生』『世界探検ものがたり 二年生』(中屋健一監修・実業之日本社)。