2024年4月25日(木)

チャイナ・ウォッチャーの視点

2014年2月17日

 この探知から攻撃までの一連の行動は、極短時間の内に起こる。ここに、人間が判断する余地はない。ネットワークの決定によって攻撃するのだ。

集団的自衛権の議論をはるかに超えた次元に

 SF映画の近未来の戦争のようだが、実際に開発が進んでいる。人の意思決定を待ったのでは対応できない兵器の登場は、日米同盟の在り方をも変えるだろう。海上自衛隊のイージス艦は、米軍のネットワークに組み込まれ、そのネットワークの意志によって、自動的に攻撃する可能性もあるのだ。

 一つ一つの事象に対して自衛権を行使できるのかどうかを判断している時間はない。集団的自衛権の議論をはるかに超えた次元の対処が要求されることになる。

 極超音速飛翔体は、実戦配備されれば、国際社会における抑止のバランスに変化をもたらし、各国の安全保障協力関係にも変化をもたらす可能性がある兵器である。こうした意味から、極超音速飛翔体は、国際関係におけるゲームチェンジャーとなり得るのだ。

 自衛隊は、平時にも軍隊として行動できなければ、これに対処できない。有事認定を待つなどと悠長なことは言っていられない。日本が平時に自衛権を行使するのかどうか、国民が議論しなければならない。

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