2025年2月12日(水)

Wedge REPORT

2025年1月20日

 世界最大の情報技術見本市「CES2025」が1月上旬、米ラスベガスで開かれた。今年は4500社・団体以上が出展、世界約160カ国から14万人以上が会場を訪れた。昨年は閉鎖されていたメイン会場の「ラスベガス・コンベンション・センター(LVCC)」の南ホールが復活するなど、コロナ禍前の賑わいを完全に取り戻した。

CESのメイン会場の「ラスベガス・コンベンション・センター(LVCC)」(筆者撮影)

 CESに限らず、欧州の家電見本市「IFA」でもコロナ禍を機に出展を見送る日本企業が増え、今や国際見本市の主役は米国や韓国、中国などの企業となってしまったが、今回のCESではようやく日本企業が再び存在感を示すようになった。

今年は「AI、自動運転、
ヘルステック」がテーマに

 CESはもともと「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー」の略語だが、最近は自動車やドローンなど家電製品以外の展示が増えたことから、主催団体の全米民生技術協会(CTA)は「シー・イー・エス」と呼ぶよう求めている。初日の開幕基調講演では毎年、注目すべき技術分野が発表され、今年は「AI(人工知能)」「自動運転車」「ヘルステック」「持続可能性」の4つが挙げられた。昨年は「AI」「モビリティー」「持続可能性」に加え、ウクライナ情勢などから「安全保障」を挙げていたが、「ヘルステック」に置き換えられた。 

 そうした技術トレンドを踏まえ、CESでは毎年、有力企業の経営トップが基調講演を務めている。「ChatGPT」に始まった生成AIブームを踏まえ、開幕前夜の基調講演ではGPU(画像処理半導体)の世界最大手、米NVIDIA(エヌビディア)のジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)が約6000人の聴衆を前に登壇した。

開幕基調講演で環境対策を最優先に掲げたパナソニックホールディングスの楠見雄規グループCEO(筆者撮影)

 開幕基調講演ではパナソニックホールディングスの楠見雄規グループCEOが登場し、サステナビリティー経営に向けた環境対策やAI活用戦略などについて講演した。パナソニックの経営トップがCESで基調講演するのは2013年の津賀一宏社長(現会長)以来12年ぶりのことで、こうした基調講演からも日本企業の復活ぶりを印象づけることになった。


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