2025年12月5日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2025年2月5日

「同盟国」日本としての懸念

 さらなる問題は、トランプ政権の選択的関与の姿勢である。ルビオは公聴会の冒頭発言の中で、「トランプ大統領の下で国務省の最大の優先事項は、常に『米国』だ」と明言している。これはある意味当然だが、それ以上に、全ての計画や政策に使う資金は、米国を安全にするか、強くするか、裕福にするかの3点で評価される」としている。

 この意味することは、「同盟だから」といって特別な下駄をはかせることは無い、ということだ。元々は、同盟関係に入ること自体それが米国のためになるとの判断があってこそのはずなので、これらの3つの要素に資するはずである。

 日本のような同盟国にとって重要なのは、同盟関係を当然視せず、同盟の維持・強化が米国のためになることを常に説明していくことだろう。

 問題は、同盟国又は重要な同志国であろうが、この説明を具体的にできない国は、米国の関心の射程に入らないと言うことだ。米国新政権は「インド太平洋地域への関心の維持・強化」にコミットしているが、中国と緊張関係にあり米国の同盟国であるフィリピンへの関与がどうなるかは重要な課題だ。日本は、米国にその重要性を理解させ、東南アジア諸国を強く支援すべき立場にあると思う。

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