にもかかわらず、連邦議会が大統領の意向を無視し、3度にわたる宣戦布告決議を採択したことから、結果的に米西戦争勃発となった。勝利後も、大統領はキューバ併合以外の領土拡張に乗り気薄だったが、圧倒的国民感情に押され、結局、フィリピン、グアム、プエルトリコの併合にも同意せざるを得なくなった。
この点で、初めから米国の軍事力、経済力を背景に外国領土に触手を動かすトランプ流儀とは大きな隔たりがある。
繁栄につながるのか
いずれにしても今後、最大の関心事は、マッキンリー時代をお手本にしたトランプ政権下での高関税乱発が、果たして米国経済の繁栄につながるかどうかだ。
この点に関しては、ラリー・サマーズ元財務長官はじめ専門家の多くが、否定的だ。
結局、トランプ大統領が今回めざす「黄金時代」は、自らを含めごく限られた富裕層だけを潤す一方、一般消費者が物価高騰であえぐことになる浅薄な「金メッキ時代」に終わる公算の方が大きい。