2025年4月5日(土)

トランプ2.0

2025年2月19日

 今のところ、行政命令が法律や憲法上の大統領権限規定を逸脱した場合の唯一の歯止めは、訴訟による法廷闘争しかない。しかし、かりに、地裁、控訴裁で違法性の疑いのある行政命令に待ったがかかったとしても、トランプ政権が上訴し、最高裁に持ち込まれた場合、9人の判事のうち、6人がトランプ氏の息のかかった共和党系で固められているため、最終段階で棄却される可能性もある。

トランプを止められるものは?

 こうした中で、去る14日、注目すべき世論調査結果が発表された。「Pew Research Center」が、先月27日から今月2日にかけて、5050人を対象に実施した世論調査結果によると、トランプ大統領の権限拡大について、65%が「きわめて危険だ」と回答していることがわかった。トランプ氏に限らず「米大統領の権限拡大」については、78%が「極めて危険だ」と回答した。

 このほか、大統領就任以来、トランプ氏にとって気がかりないくつかの経済指標が出始めている。労働省の発表によると、先月1カ月間のインフレ率が0.5%上昇した。過去3カ月同様、年率4.5%のペースで上昇を続けており、バイデン政権下でいったん落ち着いたとみられた物価が再び過熱傾向を見せ始めている。

 また、商務省の発表によると、先月のビジネス・セールスも前月比0.9%減となった。米経済専門家の間では「無視できない数字であり、消費者信用と経済成長がともに軟弱化しつつある兆候」との見方が広がっている。

 こうした点も含め、来年の中間選挙に向けて、トランプ支持率が低下していくことになれば、野党民主党による下院多数支配の道も再び開けてくる。

 結局、トランプ政権の暴走を食い止める唯一のシナリオは、今後の経済および世論動向次第ということになろう。

Facebookでフォロー Xでフォロー メルマガに登録
▲「Wedge ONLINE」の新着記事などをお届けしています。

新着記事

»もっと見る