2025年4月5日(土)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2025年3月27日

 この出来事により、イスラエルとサウジアラビアの関係正常化は頓挫し、当面、米軍は中東から撤退出来なくなった。上記の論説は、イスラエルではその国力や軍事力に限界があるので、米国に代わってペルシャ湾地域でのイランの脅威に対抗できないと論じているが、何よりも、果たしてペルシャ湾岸のアラブ産油国は、ガザやレバノンにおけるイスラエルの行き過ぎた軍事力の行使を目の当たりに見て、米国に代わってイスラエルに自国の安全保障を依存する気になるか、疑問である。

米国が警戒するイスラエルのイラン攻撃

 トランプ大統領は、大統領就任前から、イランに対して核武装すれば唯では済まないと脅し、対イラン制裁を強化しつつ、話し合いでの解決を呼びかけている。現在、イランはイスラエルにより防空システムを破壊されているのでイランがトランプ大統領の呼びかけに応じる可能性は十分あり得ると考えられるが、イランの防空網を破壊したイスラエルはこの機会にイランのイスラム革命体制の崩壊を真剣に画策している可能性があり、その場合は、イスラエルが米・イラン合意を妨害するので、うまくは行かないと思われる。

 上記の論説でも触れているが、米国のイラン専門家は一様に、イスラエルのイラン攻撃の結果、米国がイランとの戦争に巻き込まれる事を警戒している。イスラエルの核施設攻撃が半年以内にあり得るというウォールストリート・ジャーナル紙やワシントン・ポスト紙の最近リーク記事や、トランプ大統領が繰り返しイランに対話を呼びかけているのは、米国が巻き込まれるようなイスラエルの攻撃の可能性が高まっている事を示唆するのかも知れない。

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