2025年6月17日(火)

韓国軍機関紙『国防日報』で追う

2025年6月3日

 韓国軍の光と影。2年ぶりに開催された海軍兵器展示会「MADEX2025」で、韓国海軍と防衛産業企業はドローン空母など最先端の技術を世界に発信し、訪れた視察団やバイヤーの目を奪った。一方で、韓国軍は深刻な麻薬汚染に犯されており、麻薬探知犬による兵営の調査まで行われている。

世界最大級の海軍兵器展示会「MADEX」

 29日のヘッドラインが伝えた「MADEX2025」とは、釜山で31日まで開かれた国際海洋防衛産業展のこと。1998年に開始され、今年で14回目を迎える。MADEXは世界最大級の海軍兵器展示会で、今回は14カ国200社以上の防衛産業企業が出展し、マレーシア、ブラジル、サウジアラビアなどから海軍参謀長クラスが視察に訪れた。

 筆者は前回(2023年)に続いてMADEXを取材したが、上述の国以外にも多くの国の海軍関係者やバイヤーが訪れ、韓国企業をはじめとする防衛産業企業と熱心に商談していた。MADEXのちょうど1週間前、東京で防衛装備展示会「DSEI Japan」が開催されていたので、日韓の展示会をハシゴした強者はいるかと思い参観者に聞いてみたところ、DSEIを観てから釜山に来たというバイヤーが幾人もいた。日本人としては悔しい限りだが、彼らは「目的はMADEX」と口にした。

 今や海軍兵器展示会のハブとなったMADEXについて、国防日報はいくつかの記事を掲載している。中でも興味深いのが陸軍の地域防衛師団による対テロ活動だ。

 陸軍第53師団は、ドローンと爆発物、特殊武器(注:核・化学・生物兵器)、暴動的なデモを4大テロと想定し、警察などと連携して事前訓練や会場の警備を行った。紙面には、師団の危険性爆発物処理チームが爆発物探知器や非線形接合検出器を使って、VIPルームを点検する姿が掲載されている。

 会場には特殊武器防護車や軍事警察(注:憲兵)のSWATが待機して、会場を警備していた。軍隊が社会生活と密接に関与していることが韓国の軍事文化の大きな特徴と言えるだろう。


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