過激派対応で利益が合致
タリバンの最大の敵は過激派組織「イスラム国」(IS)だ。特に同国に拠点を置く「ISホラサン州」はタリバン政権へ再三テロ攻撃をかけており、両者は敵対関係にある。ロシアもイスラム過激派封じ込めには手を焼いており、「テロとの闘いで盟友だ」(プーチン大統領)とタリバンとの協力を重視している。
昨年3月、モスクワ郊外のコンサートホールで銃撃テロがあり、145人が死亡した。「ISホラサン州」が犯行声明を出し、ロシア治安当局もアフガンを拠点とする組織が実行したと発表した。ウクライナとの戦争が長期化する中で、ISとの闘いは喫緊の課題だ。
ロシアは中央アジア、アフガンを通じてインドやパキスタンにつながるパイプライン建設を計画しており、そのためにも「ISホラサン州」は邪魔な存在で、タリバンとの協力でなんとか排除したいと考えている。ロシアとタリバンは過激派対策でも利害が一致したといえるだろう。
