2025年12月5日(金)

#財政危機と闘います

2025年8月4日

広がる他責思考

 リーマンショック下で行われた定額給付金を嚆矢として、新型コロナ禍で累次にわたって実施された給付金により、国民はバラマキに慣れてしまい、しかも、全世代型社会保障制度による全世代へのバラマキの拡充と並行して、国民の政府依存が強まっているのが現状だ。だから、選挙の度繰り返されるバラマキの約束にも反対しはしないし、場合によってはさらに多くのバラマキを求める。

 この結果、国民のなかから自助の精神が急速に失われつつあり、高齢者が悪いだとか、結婚もしない、子供も持たない若者が悪いだとか、外国人が悪いだとか、専業主婦はずるいだとか、他責思考が広がってしまった。現在はバラマキ政治とクレクレ民主主義からパラサイト民主主義に至る過渡期にあるのかもしれない。

 協調ではなく分断が強まると当然経済にもマイナスの影響を与えるので、日本のさらなる経済的な没落と不寛容な時代の到来が決定的となるリスクが高まる。

 日本経済の再生は、バラマキによる需要喚起ではなく、働きたい者が好きなだけ働ける環境の整備や規制緩和、技術革新など生産力へのテコ入れで日本経済の足腰を強くするのが第一だ。そのうえでバラマキに頼らずとも国民が独り立ちできるよう負担軽減のための政府のスリム化を断行するべきだ。

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