2025年12月6日(土)

プーチンのロシア

2025年8月13日

あまりにも大きな相互補完性

 それにしても痛感させられるのは、ロシアと北朝鮮は相互補完性が高いということである。具体的に言えば、ロシアが北朝鮮に提供できるのは、まず軍事部門では、最新の軍事技術、衛星技術、レーダー、電子戦機器などであろう。一般物資の面では、原油・石油製品、穀物等の食料、医薬品などがある。また、国際社会で孤立しがちな北朝鮮にとっては、国連安保理常任理事国であるロシアの後ろ盾は頼もしいところだろう。

 それに対し、北朝鮮がロシアに提供できるのは、まずは何と言っても、ウクライナ侵攻を続けるロシアが大量に必要とする砲弾であり、またミサイルやロケット弾などである。北朝鮮の兵器は旧ソ連式の規格になっているので、ロシア軍にとっては、互換性・即戦力性・補給効率性の3点から非常にメリットが大きいとされる。

 そして、クルスク州奪還作戦で、北朝鮮兵の果たした役割は大きかった。なお、クルスク州に派兵された北朝鮮兵は約1万1000~1万2000人規模で、うち4000人前後が死傷し、そのうち600~1000人ほどが死亡したと推定されている。

 ことほどさように、とにかくロシアと北朝鮮は相互補完性が高いのである。強権国家同士で波長が合うという要因もあるだろうが、相手が切実に必要とするものを提供できるという関係性こそが、両国の急接近をもたらしていると言える。

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