親米になるのか?親中になるのか?
フィリピンの大統領は1期で再選ができないため、どの大統領も任期の後半はレームダックになる可能性がある。だからこそ政権側はレームダックとならず次期政権においても影響力を保持すべく(できれば一族から後継者を輩出できるよう)知恵を絞ることになるし、その中心は自然に血筋になる。ドゥテルテ家との抗争のシナリオは大統領の従兄弟に当たるロムアルデス下院議長の作と言われている。
従ってこの解説記事が述べるような、「ドゥテルテ家の復興とサラの28年選挙のトップランナー化→マルコス・ドゥテルテ両家の抗争の激化→マルコスのレームダック化」との見通しは一つのシナリオであろうが、まだまだ不確定要素が多い。一つだけ確かなことは、この政権では両家の和解はないということであろう。
相変わらず欧米メディアはマルコス=親米、ドゥテルテ=親中とのステレオタイプの見方をとるが、この記事はサラがどこまで父親の路線を継承するか不明としている。フィリピン国民一般は親米感が強く、また安全保障については米国に依存する一方、経済的には中国との協力は欠かせないと考えている。その中で領土問題(南シナ海)についてはフィリピン国民が一枚岩であるので、サラもこの点考慮せざるを得ないだろうとの見方であろう。
最後にトランプ大統領との関税合意であるが、よく知られるようにフィリピン経済はサービス産業(及び出稼ぎ労働者の送金)が中心の内需主導型であり、他の東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国が工業製品の輸出主導型であるのとかなり異なっている。このため米国の関税率については他国ほど深刻な問題にはなりにくいと言われている。
