玉木代表は「総理大臣になる用意はある」としながらも、立憲民主党に対して安全保障やエネルギー政策での意思統一を求めた。
立民、消極姿勢から一転、勢いづく
野党第一党の立憲民主党は、昨秋の総選挙で自民党が過半数を割り込んで以来、内閣不信任案の提出を見送るなど政権獲得に消極的とも映る姿勢に終始していた。2025年7月に自民党が参院選で敗北した後、石破退陣から総裁選が予想されたにもかかわらず野党勢力を糾合して政権交代を目指すことにも慎重だった。
それだけに、公明党の連立離脱が明らかになって、あわてて各党に協力を呼び掛けたところで冷ややかな反応しか得られないのは当然だろう。
斎藤代表は10日夜、テレビ各局の番組に出演、首相指名の決選投票で誰に投票するかについて「これまでの自民党との信頼関係をもとに熟慮したい」と語った。最終的には「高市首相」が誕生する可能性があるが、そうなれば、野党にとっては、政権に手が届くところまできていながら惜しいチャンスを逃すことになってしまう。
このところすっかり存在感が薄れてしまっている石破首相は、公明党の政権離脱について、「もう総裁ではないので……」とコメント避けた。
首相は、この日、終戦80年に当たっての所感を発表した。保守勢力が強く抵抗していた所感だが、言葉は悪いが結果的にどさくさ紛れ、この日の騒ぎで注意がそらされる格好となった。
意地の悪い見方をすれば、首相は密かに安堵しているかもしれない。
