通信は私たちの暮らしの基盤であると同時に、日本の競争力を支える土台でもある。インターネットが普及した1990年代以降、社会や産業において通信の重要性は飛躍的に高まった。
2010年前後にはスマートフォン(スマホ)が登場し、個人が常時接続される生活が定着した。現在では決済や行政手続きをはじめ、医療・教育など幅広い分野で通信は不可欠なインフラであり、デジタル変革やAIの発展においても、基盤的存在である。 もはや、「情報」や「データ」のやりとりを支える通信抜きに私たちの日々の生活は考えられない。
通信は今後も進化し続ける。光サービスや無線LANの高速化、「超高速」「低遅延」「多数同時接続」が特徴の5G(第5世代移動通信システム)などに加え、30年頃には6Gが登場する。
衛星や空飛ぶ基地局とスマホとの直接通信も一般化し、災害時においても途切れない環境が実現されるだろう。自動運転やドローン物流などの新産業の創出にも寄与し、社会をさらに豊かで安全なものとする一翼を担う。その意味で、わが国の競争力と持続的発展を支え続ける使命を有しているのが「通信」だ。
しかしながら、この通信インフラの設計・工事・運用・維持管理・災害対応に従事する技術者の存在はあまり知られていない。
