2026年1月3日(土)

Wedge REPORT

2026年1月3日

二大古社創建以前にさかのぼる伊勢と出雲のつながり

 もっとも、伊勢津彦をめぐる話は神話・伝説に属するものなので、その真偽を深く詮索することには、あまり意味がなかろう。だが、ヤマト王権との抗争に敗れた古代出雲王国の人々のなかに、流浪のすえ、「常世の浪寄する国」である伊勢の地までたどり着いた者がいたとしても不思議ではない。

 そしてその流浪先に、最終的にヤマト王権の守護神である天照大神が降臨したとすれば、伊勢とは、じつは出雲の人々によって用意された聖地だったということになるのだろうか。

 『伊勢国風土記』逸文には、伊勢神宮と出雲大社の成立以前にまでさかのぼる、日本の二大聖地の古層でのつながりが寓意されているのかもしれない。

 最後に伊勢と出雲の奇縁を記しておきたい。

『伊勢・出雲に秘められた聖地・神社の謎』より

 地図上で伊勢神宮(内宮)と出雲大社を直線で結ぶと、興味深いことに、そのラインは大和の中心である平城京のほぼ真上を通る。これは全くの偶然なのか。

 元明天皇によって平城京への遷都が行われたのは和銅3年(710)のことである。ひょっとすると、平城遷都は、2つの神都を結ぶ土地こそが日本の都にもっともふさわしいという発想のもとに実行されたのだろうか――。

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