2026年1月1日(木)

「永田町政治」を考える

2026年1月1日

軽率、無節操な発言は国益損なう

 リーダーとして不可欠な「首相らしさ」で高市氏に求められるのは、慎重な言動、政治家としての風格、誠実さだろう。

 首相は25年10月の就任以来、「存立危機事態発言」で物議を醸した。この問題では、中国が異常ともいえる強硬な姿勢で発言の撤回を求めている。

 不当な要求は拒否すべきだが、政府見解から踏み出す発言をあえてしたことは、信念を吐露した〝確信犯〟か、うっかりかはともかく、結果的に中国に付け入る隙を与えてしまった。本人も「反省」しているように痛恨のミスというべきだろう。 

 首相としての言動の軽さは国益を損なうから、自戒、心すべきだろう。

人気が「本物」となるには

 多くの人が耳を疑った立憲民主党の野田代表との党首討論での「そんなことより」発言は、首相のホンネ、重要政策課題より自らの都合を優先する願望の表れとみるべきだろう。

 首相指名選挙で自らに投票してくれた日本維新の会との約束を守るために、重要課題である政治とカネの問題を「そんなこと」としてあっさり片づけ、維新が求める議席削減を優先させてしまった。政策の私物化と批判されてもやむを得ない無節操さだが、重みを欠く首相の言動は、これにとどまらない。

 首相就任前に公言していた靖国神社参拝は見送ったし、強く批判していた戦争責任に関する村山談話もあっさり容認してしまった。

 自民党内には、首相の印綬を帯びた以上、政策遂行が慎重になるのは当然と擁護する向きも少なくないが、これほどあっさり手のひらを返されると鼻白むほかはない。首相を従来から支持してくれた人たちへ率直に説明すべきだろう。

 高市人気の本質は何なのか。女性初の首相だからか、保守的な思想の持ち主だからか、歯に衣を着せぬ発言が受けるのか。

 有権者は移り気だ。首相が政局にだけ憂き身をやつしていたら、時間とともに人気は一気に低迷する。

 政策を実の伴ったものとし、政治家としての資質を高めることを実現した時にこそ、その人気は不動のものになるだろう。

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