ウォールストリート・ジャーナル紙は、トランプ大統領が仲介したタイとカンボジアの国境紛争が6週間で再燃し、タイ側は空爆も行った、とする同紙東南アジア支局長による解説記事を掲載している。要旨は次の通り。
12月8日、タイ軍はカンボジアとの国境紛争地帯に空爆を実施し、トランプ大統領が仲介した両国間の不安定な停戦を粉砕した。タイ政府関係者は、7日と8日に国境で自軍の兵士がカンボジア軍から銃撃されたことに対する対応だと言い、カンボジア側はタイ側が国境紛争を再燃させたと非難している。8日の衝突は7月に停戦に合意して以来で最大の衝突となる。
8日の衝突によりタイ側で兵士2人、一般市民5人、カンボジア側で4人の一般市民が亡くなっており、空爆とロケット弾、砲撃の応酬により両国で何万人もの村人達が安全な地域に避難したが、タイ空軍は、「カンボジア軍の攻撃は、タイの安全保障、国境地帯の安全、さらにタイ軍の兵員を脅かした」と発言している。
他方、カンボジアの国防省は、自軍が停戦協定を破ったことを否定し、タイ軍側が「数日間の数え切れない挑発的な行動」を取った後、(タイ側が一方的に)攻撃を開始したと述べた。
今回の衝突の再発は、クアラルンプールで開催された東南アジア諸国連合(ASEAN)サミットの場でトランプ大統領立ち会いの下、停戦協定に調印した6週間後に発生した。調印式の場ではタイとカンボジアの首相は、マレーシア首相と共にトランプ大統領の仲介の労に謝意を表明していた。
7月の時点でトランプ大統領は、両国に対して衝突を止めなければ、「相互関税」を引き下げるための交渉を停止すると述べ、両国は交渉のテーブルに着くよう脅かした。しかし、その後もタイとカンボジアの双方は、停戦合意に違反していると非難し合っており、11月、タイ政府は、両国間の国境紛争を解決するための協議から手を引くと表明していた。
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