2026年1月14日(水)

教養としての中東情勢

2026年1月13日

 デモ隊と治安部隊の衝突の模様はSNSであっという間に拡散され、これがデモの拡大を煽った。追い詰められた当局は7日ごろから国際電話とインターネットを遮断するブラックアウト措置を実施し、イランを世界から孤立させた。だが、ここまで燃え上がった反政府運動が沈静化する兆しはない。

大統領と強硬派が対立か

 イランは9日深夜、国家の重大事を討議する緊急の「国家安全保障委員会」を開催、反政府デモと米イスラエルからの攻撃の可能性について話し合った。会議ではデモ参加者の意見に耳を傾ける必要があるとするペゼシュキアン大統領ら保守穏健派と、徹底弾圧を叫ぶ革命防衛隊司令官ら強硬派が対立したもよう。

 米国のベネズエラ攻撃をめぐっても意見が交わされ、攻撃された場合の報復なども議題に上ったようだ。今回のデモの背景には、政府高官や革命防衛隊の汚職体質への不信感がある。大統領は改善を要求したとされるが、結論には至らず、指導部の分断が露呈された形だ。

 問題先延ばしという最悪の結論だ。ペゼシュキアン大統領にはハメネイ師との権力の二重構造への強い不満がある。アラグチ外相は交渉の用意があるとの意向を米国のウイトコフ中東担当特使に伝えた、という。

トランプの軍事オプション

 こうした中で、トランプ大統領は「われわれは臨戦態勢にあり、行動する準備ができている」「もし平和的なデモ参加者が当局に殺害されれば、米国も(当局を)銃撃する」「イランは自由を求めており、米国は手助けする用意がある」などと矢継ぎ早に発言、イラン側に揺さぶりをかけ続けている。

 ニューヨーク・タイムズによると、大統領はここ数日間、国防総省からイランを攻撃した場合の「軍事オプション」の説明を受けた。最終決断はまだだが、標的の1つはイランの治安部隊の拠点になりそう。米国が攻撃しても国民を反米に向かわせず、イランに報復攻撃をさせないことが配慮されている。

 昨年6月の「12間戦争」で行動を共にしたイスラエルとの共同歩調を取るかどうかは不明だが、イスラエルのネタニヤフ首相は昨年末、米フロリダ州のトランプ氏の居宅を訪ね会談、またこの10日にはルビオ国務長官と電話会談した。イランの核と弾道ミサイル開発を阻止について話し合った。


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