2026年1月25日(日)

つくりびととの談い

2026年1月25日

複雑な動作をシンプルに再現
メカ的発想が生み出す強み

 コジマ技研の常務・営業技術部長の齋藤信二さん(56歳)は、新卒で大手食品メーカーに就職したもののピラミッド型の組織が肌に合わず、縁のあったコジマ技研に転職。当時は實さんと道弘さんの弟の2人きりの会社であったため、機械の組み立てだけなく、営業から實さんの車の運転まであらゆる仕事をこなした。

串刺機の要である「串ガイド」の受け口を削ってつくる齋藤信二さん。笑顔の素敵な齋藤さんも、この時ばかりは真剣だ

 「先代は、発想するスピードが速い人でした。缶ビールの缶がコロンと転がるのを見て、あっ、これは竹串を自動で送る装置に応用できるかもしれないぞって、カレンダーの裏なんかにすぐ書きつけるんです」

トレーをつくるには、まずスケッチから。具材のサイズや串の直径などを採寸しながらイメージ

 コジマ技研の串刺機に込められている實さんの発想には、いくつかの特徴があると齋藤さんは言う。

 「まずは、構造がシンプルだということです。例えば串を打ち出す機構と串を補充する機構はひとつの動力で動かしていますが、そうした動きをカム(回転を他の動きに変える部品)で実現しているんです」

トレーに乗せた具材が、回転寿司のように機械まで自動で運び込まれ、串に刺される直前

 二つ目は、電子部品を極力使わないこと。食品の加工機械は衛生上洗浄が必須だが、電子部品は水濡れに弱い。そこで、柔らかく不定形な肉に串を刺すという複雑な動作を、電子制御ではなく、あくまでもメカトロニクスで再現しているのだ。

 「串打ち職人は、串で肉を縫うように刺していきます。そのおかげで、焼いている時に肉が回転したり、肉が串から抜け落ちたりしないのです。でも、電子制御で縫い刺しをやろうと思ったら、とてつもなく複雑な機械になってしまいます」

 ではコジマの串刺機はどうかというと、肉を乗せるトレーを波型にしている。波打つ形の肉に水平に串を通せば、職人の縫い刺しと同じ結果が得られる。まさに逆転の発想だ。

具材がトレーの波型に形づく。職人の縫い刺しを再現すると具材が抜けにくくなるのだ

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