2026年1月23日(金)

チャイナ・ウォッチャーの視点

2026年1月23日

中国は中道改革連合をどう見ているのか

 こうした状況下で高市首相は衆議院解散に踏み切った。中国共産党はどうとらえているのか。

中国は高市首相の解散をどう見ているのか(首相官邸ホームページより)

 中国外交部報道官は衆議院解散、中道改革連合の結成について、「日本の内政であり、コメントしない」と発言している。中国官製メディアも解散については、事実だけを伝えるストレートニュースばかりで、論評にまで踏み込んでいない。

 中道改革連合の結成については、CCTV国際オンラインが発表した「日本が前倒しで総選挙、新政党の勝算はいかに?自民党は自爆級の悪手」(1月20日)がある。中国国際問題研究院アジア太平洋研究所の姚澤宇(ヤオ・ズーユー)補佐研究員のインタビューで、安全保障優先の強硬保守の高市政権に対し、中道改革連合は市民生活優先、実務的外交、政治改革推進との対比で分析している。選挙結果についての明確な予測は下していないが、いわゆる裏金議員を公認したことで中間層が離反し自民党の信任を失わせるとして、与党敗北を示唆している。

 今、中国は多国間外交のシーズンを迎えている。25年は対米交渉が最大の課題だったが、韓国での米中首脳会談で、対立の「一時停戦」が決まった。次なる課題は米国以外の国々といかに貿易関係を安定させるかだ。

 25年、中国の貿易黒字は1兆1900億ドル(約190兆円)という記録的な数字に達した。だが、対米輸出は前年比20%減と落ち込んでいる。その他の国への輸出には、第三国を経由して最終的には米国にたどりつく迂回輸出も含まれているとはいえ、貿易赤字削減に執着するトランプ政権が存在している以上、その他の国々への輸出を継続できるかは中国外交の至上命題だ。

 欧州やグローバルサウスの国々も中国との貿易摩擦に厳しい目を向けている。中国市場の開放や中国からの投資をカードに、それらの国々との交渉を続ける実務的外交が中国の課題である。同様に、日本との貿易関係維持も中国にとっては重要なテーマのはずだ。

 となれば、対中強硬姿勢が強い高市政権の弱体化、あるいは実務的外交を唱える中道改革連合の登場は中国にとって歓迎すべき事態とも言える。


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