2026年3月19日(木)

WEDGE REPORT

2026年3月19日

香港のエンタメ系でも中止・延期が相次ぐ

 この悪影響が、香港にも広がっている。エンタメでは、前述の木村拓哉の香港映画出演取りやめのほか、25年12月に開催予定だったゆずのコンサートはやむを得ない諸事情で、26年3月の倖田來未のコンサートは「不可抗力」で中止となった。ほかにも食をテーマにしたイベントに関連して『タンポポ』、『かもめ食堂』などといった日本映画が上映中止となった。

香港でのゆずのコンサートも中止となった(ゆずオフィシャルサイトより)

 逆に、日本での香港イベントが延期になった事例もある。『トワイライト・ウォリアーズ』に主演した林峯(レイモンド・ラム)の日本でのコンサートも「やむを得ず」という理由で延期となった。

 筆者は、中止となったあるイベントの関係者に「『例の件』が関係しているのか?」と遠回しに理由を聞いたことがある。その回答は「そうです」の一言で細かな説明はなかった。彼らがどれだけ気を遣っているのかがわかる。

 とはいえ、日本モノは全部ダメかというとそうではない。毎年12月に「香港国際競走」という世界的な競馬のレースでは、「不可抗力」はなく、日本馬も無事に7頭が出走した。

 26年4月1日から開催される香港国際映画祭は、例年、日本映画を大きく取り上げる。今年の流れから言えば、ゼロになってもおかしくないが、なんとか7本が上映されることになった。

 つまり、日本-香港という1対1の関係ではなく、世界が絡む場合は、レピュテーションの低下というリスクをさけるため、日本であっても拒絶することはしなかった。そういう意味では、イベント参加の可否は絶妙なさじ加減をしていると言えよう。

香港と東京の乖離

 民間だけでなく、政府交流も途切れかかっている。25年11月23日付の共同通信によると、香港政府が在香港日本国総領事館との公的な交流を停止し始めていると報じたのだ。

 また、25年12月7日〜13日に日本で開催予定の高校生の日本派遣交流プログラム「21世紀東アジア青少年大交流計画」についても、香港の教育当局は、教師と生徒代表団の派遣中止を決めた。公共放送の香港電台(RTHK)で放送されていたアニメ『はたらく細胞‼』の放映が中止になった。

 この事象は、20年に制定された香港国家安全維持法の影響が大きい。香港政府は中国政府の政策や姿勢に追随しており、それに経済界や市民も同調せざるを得ない状況だ。


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