実行は彼等にとって非常にリスクの小さな非常に容易なことである。臆病者、我々は忘れない!大統領ドナルド・トランプ
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簡単ではない艦艇派遣
上記は、イラン戦争に関してNATO諸国に対する憤懣(ふんまん)を書いたトランプの2通の投稿である。2通はそれぞれ3月19日の高市・トランプ会談の前後の投稿ということになる。
お馴染みのトランプの荒れ狂う言動かと受け取られるかもしれないが、彼の正直な気持ちだと思われるだけに、問題は深刻である。
イラン戦争はNATO諸国にも日本その他にも協議も通告すらなく、米国とイスラエルが始めた国際法上の疑義が濃厚な戦争であるので、NATO諸国がこの戦争に加担したがらないのは当然の成り行きである。トランプはNATO諸国が関与したがらないのを知って驚いたと述べたが、彼が驚いたことこそ驚きである。
ドイツのピストリウス国防相は「我々の戦争ではない、我々が始めた訳ではない」と言い、メルツが「NATOは防衛同盟であり干渉同盟ではない」と言う所以である。英国のスターマー首相は「より広い戦争に引き込まれる」ことはしないと述べたが、彼等が怖れるのは、現状で商船の護衛の目的であれ、ホルムズ海峡に艦艇を派遣すれば、米国とイスラエルに加担する形でイランとの交戦を強いられることになりかねないことである。
ホルムズ海峡の通航を可能とするための艦艇派遣を、トランプは簡単な作戦と考えているが、実は非常にリスクが高い。米軍はイランの伝統的な海軍能力を大きく破壊したかもしれないが、この海峡における主たる脅威は、陸上配備の対艦ミサイルや、自爆型無人攻撃機、小型攻撃舟艇、小型潜水艇、吸着型その他の機雷などの非伝統的・非対象兵器である。通航の再開にはイランの沿岸の占領も必要となる可能性が高い(米軍は沿岸部への攻撃を始めたようであるが)。
