2026年4月7日(火)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2026年4月7日

 よって、艦艇の派遣はホルムズ海峡における現実的な軍事オプションたり得ないというのが大方の見方である。そもそも、イランとすれば、海峡を閉じておくために艦艇を攻撃する必要はなく、タンカーなど商船数隻を標的とするだけで保険会社に手を引かせ保険料を法外な額に引き上げさせるに十分であろう。

 したがって、仮に、国際法上の疑義のある戦争からホルムズ海峡の保護という特定の側面を法的にも実態的にも切り離すことが可能で、かつ海峡通航の再開のための現実的な軍事オプションとなり得るのであれば、NATO諸国も日本も艦艇の派遣を検討すべきであろう。

 各国は自国の利益を守るために独自の立場で艦艇の派遣が可能になる。米国の巨大な軍事力の賢明な行使にその安全を依存するNATO諸国であれ日本であれ、トランプ政権との亀裂は避けたいに違いないが、現状では条件が整わず、動くに動けないというところであろう。

一時的な憤激なのか

 イラン戦争で達成すべき目標について、トランプは幾つか言及して来ているが、現時点において何が戦争を終結させるために必要な目標なのか判然としない。目標はネタニヤフと共有されているのかも不明である。

 しかし、トランプは軍事的に勝ったと言っている。高市早苗首相の「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけだ」との発言は、トランプが早急に勝利を宣言して戦争を終わらせることを促す趣旨だったかと思われる。

 これらの投稿でトランプはNATOの信頼性を深刻に傷つけた。NATOを離脱しかねない憤激のようであるが、一時的な憤激にとどまるものか定かでない。7月にトルコで予定される今年のNATO首脳会議にトランプが出席するのかどうか注目されよう。

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